耐震性能の基礎知識「耐震基準の変遷」

恩田組では、地震によって傾いた家を水平に戻す、地盤の沈下修正工事を請け負っています。その関係で、地震の専門家や耐震構造の先生などからお話を伺える機会があります。今回は地盤から少し離れて地震と耐震構造について触れてみたいと思います。

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耐震基準の歴史

日本の耐震基準は大地震が発生するたびに改正を加えられてきました。日本で初めて法的に耐震基準が導入されたのは1924年(大正13年)です。ピンとこられた方も多いと思いますが、1923年発生の関東大震災が契機です。

その後、1950年に建築基準法が制定され、その中に旧耐震基準が定められました。関東大震災が発生した1923年から1950年までにも、1944年「昭和東南海地震」マグニチュード7.9、1946年「昭和南海地震」マグニチュード8.0、1948年「福井地震」マグニチュード7.1と大地震が頻発しました。

ちなみにマグニチュード7以上を「大地震」、マグニチュード8以上を「巨大地震」と慣用的に呼ばれているそうです。

そこから31年後、1981年に新耐震基準が施行されます。その契機は1978年の「宮城県沖地震」マグニチュード7.4です。ただしそれ以外にもマグニチュード7を超える地震は5回発生しています。

そして最新の耐震基準改正が2025年4月に施行されました。記憶に新しい2024年1月の「能登半島地震」や忘れてはいけない311「東日本大震災」を含む18件もの大地震が、その間に発生しています。

耐震と制震と免震

建築の地震対策は「耐震」です。しかし最近「制震」と「免震」という言葉を耳にします。

耐震とは、建物を強くして、揺れに耐えること。

制震は、揺れのエネルギーを吸収して、建物の揺れを抑えること。

免震は、地盤の揺れを建物に伝わりにくくすること。

大型建物では免震構造はすでに取り入れられていますが、戸建て住宅に取り入れるにはコスト的な負担が大きく、まだ普及には時間がかかると思われます。

制震は制震ダンパーが少しずつ浸透していますが、歴史が浅く業界的には検証段階といったところでしょうか。制震にしても免震にしても、基本構造が脆くては地震に耐えることができません。基本となる耐震構造を高めてオプションとして制震や免震を選ぶという図式になります。

変わりつつある家の考え方

2026年の耐震基準を含む建築基準法の改正は、新耐震基準と比べてかなり厳格化されました。これまで2階建てまでの木造住宅には構造に対する審査が省略されていました。しかし今回の改正により、確認申請時に構造に関する図書と省エネ性能に関する図書を提出することが義務付けられています。

つまり、地震に強く、かつ省エネ性能の高い家しか建ててはいけないという指針が打ち出されたわけです。

日本は少子高齢化の影響で新築着工数が大幅に減少しています。さらに空き家も最新の調査では全国に約900万戸もある家あまりの状態です。空き家の理由はさまざまですが、良質の家や土地価格の高い家なら早々に売ったり貸したりできるはずです。これまで建てた家はしかたがないにしても、これから建てる家は空き家にならない高品質の家にせよ、という声がどこからか聞こえてきます。

これからの主流は中古住宅なのかも知れません。

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