大分出張の際に見た、熊本の「本当の被災状況」【前編】

目次

きっかけは、現調前日の一本の連絡

大分での現地調査を控えていたある日、元請企業との打ち合わせの中で、思いがけない相談を受けました。

「熊本の施工住宅で、1軒が横ずれ、2軒が液状化による沈下を起こしている。見積を出してもらえないか」

大分の現調は午後の予定。そこで急遽、午前中に熊本へ足を運び、3軒の現場を確認してから大分へ向かうという、タイトなスケジュールが組まれることになりました。

社長も「熊本の現状を自分の目で見ておきたい」とかねてから話しており、今回は社長も同行しての現地確認となりました。

同じ熊本でも、被害の落差に驚いた

現地に着いてまず感じたのは、地域によって被害の程度がまったく違うということでした。道路も一部で陥没した箇所は残っていたものの、復旧が進んでいる地域も多く、正直なところ「思っていたよりも、人々の生活は日常を取り戻している」という印象を受けました。

ただし、それは全体としての印象です。個別の建物を見ていくと、被害の実態は決して軽くありませんでした。

見積対象となった住宅の周辺には、古い住宅が倒壊しているケースも見られました。一方で、見積対象の家自体は築10~20年程度で、外観はきれいに保たれており、工事による復旧が十分可能な状態でした。

そしてもう一つ、印象に残ったのが築年数と建物の構造による被害差です。特に古く大きな家、瓦屋根の家に被害が集中して見られました。対して、最近の新しい建物は、傾きこそあれ倒壊は免れているケースが多く見られました。これは現場を実際に歩いて初めて実感できたことです。

(中編に続く)

目次